steering / ステアリング・ハンドル周り

2006/5/28

プロテーパー/P-3 トップトリプルクランプ

  • ◇ このパーツの満足度 → 65/100
  • ◇ 取り付け難易度 → 簡単
  • ◇ 取り付けに必要な特殊工具および加工 → 必要なし

経緯

YZのフロント周りを移植するため、またハンドルバーのマウント方法で悩まなくてはなりません…(-_-#)

'99 YZ125のトリプルクランプは、DT200WR前期型と同様、ハンドルロアホルダーがトップブリッジ部と一体形成になっているため…

YZ125純正トリプルクランプ

大径ハンドルバー装着には汎用クランプホルダーの追加か、トリプルクランプの交換が必要となります。

クランプホルダーは、既存のホルダーの上に2丁がけして追加するタイプのものしか使えず、見た目が良くないのと(^^;)ハンドル位置が約20mmほど上がってしまうのが嫌で却下。
ノーマルバーに戻すことも考えましたが、ハンドルバーはもちろん、ハンドガードのアタッチメント等も交換しなくてはならなくなるため、コスト的に無駄が生じます。

というわけで、どうせやるならトリプルクランプを交換したほうがコストパフォーマンスが高い!(…高くはないな ^^;)と判断して、今回はトリプルクランプを交換することにしました。

まず最初の候補に挙がったのは、ZETA(ジータ)のトップブリッジキット(旧モデル)でした。
先にZETAのRXクランプキットを装着して、その質の良さ(性能も見た目も)を実感していたからです。
ところが、購入直前にモデルチェンジを受け、ニューモデルがロアホルダーの固定に特殊形状のボルトを採用していたため、急遽購入を見送りました。
…なぜ特殊ボルトの不使用にこだわるのかというと、単にボルトをステンレス化したいというのがまず一番の理由で(笑)、あとはパーツ供給の観点からです。

次の候補は、TAG metals(タグメタル)の「マトリックス・トリプルクランプ」です。
デザインが非常にスマートで格好良く、ボルトも一般的な形状のもののようでしたが、現在では取り扱っているところが少なく、入手困難のようでしたので諦めました。

レンサルのトップクランプも候補に上がりましたが、トップブリッジとハンドルホルダーが別売りで、しかもホルダーが 1万円(!)もするのが腹立たしく (`Д ´ )、不採用としました。
ポジション変更するたびに1万円…(゚Д゚ )

結局、最終候補として私が選んだのは、プロテーパーの「P-3 アッパートリプルクランプ」です。
見た目まずまず、特殊ボルトは不使用、ポジションアジャスト機構付きで入手も比較的容易というのがポイントです。
実は購入直前に、stealth(ステルス)という日本?のメーカーから、プロテーパーより定価が3000円ほど安く、見た目と機能は瓜二つのトリプルクランプが発売されていることを知り、そちらにかなり傾きかけていたのですが、プロテーパーならハンドルのメーカーとも合わせられるということで、最終的にはプロテーパーに決めました。

クランプの対応年式については、今回移植するフロント周りの年式は '99モデルですが、私は懲りずに「ゼッケン化計画第2弾」を計画中ですので(^^;)、'00以降用のフロントゼッケンプレートを後々取り付ける予定上、トリプルクランプも '00以降用を注文しています。
これについては、ステアリングステム、フェンダー等のフィッティングに問題が無いことを確認済みです。
異なっているのはゼッケンプレートを取り付けるステーの角度が垂直(〜'99)か水平('00〜)かという点くらいでしょうか。

◇ 2006/5/28 更新

P-3 トリプルクランプのハンドルロアホルダー固定ボルトは、M12でピッチが1.25という特殊ボルト(※通常のM12ボルトのピッチは1.75)でした…ステンレスボルト化計画はあえなく頓挫 (;_;)
それならZETAのトップブリッジキットにしておけばよかった…。

◇ 2006/6/3 更新

ホームセンターを見に行ったところ、M12のピッチ1.25というボルトは普通に売られていました(笑)
とりあえずスペアに困ることはなさそうです。
さすがにステンレスボルトはありませんでしたが(^^;)

到着

商品が届きました。

プロテーパー/P-3 トップトリプルクランプ

トリプルクランプにしては随分箱が大きいような…

プロテーパーハンドル+バーパッドプロテーパー/P-3 トップトリプルクランプ

…と思ったら、バーパッドが付属しているので、箱が大きかっただけのようです(^^;)

肝心のクランプは、削り出しの質感も良く、なかなか良い感じですよ(^‐^)
クランプとトップブリッジの接触面が波状になっていますので、調節式(前後に5段階)のハンドルクランプながらも確実に固定できます。

それにしても、3連のクランプボルトはかなり迫力がありますね〜(゚Д゚ )

プロテーパー/P-3 トップトリプルクランププロテーパーハンドル+バーパッド

「PRO TAPER」の2連ステッカーも別の意味でかなり気になりますが(笑)、これはあとから剥がしてしまえばよいでしょう。

それよりも気になるのが重量です。持ってみると少々重いような気がします…。
というわけで早速重量を測定してみました!

測定

重量は、トップブリッジ部770g+ハンドルホルダー部200g×2=1170g でした。(※ボルト類込み)
'99? YZ125のトリプルクランプ(※ボルト、ホルダー部込み)が904gでしたので、266g の重量増ということになります( ̄ロ ̄;)

構造がシンプルな分、純正クランプは鋳造ながらも軽く仕上がっているようです。
社外品の削り出しクランプはその分剛性を高めているのでしょうけれど、トレールであるDT200WRのヘッドパイプ周辺のフレーム剛性との相性を考えると、むしろミスマッチの気がしないでもありません…。

他のマウント方式との重量比較はこちらです!

装着 (2006/10/9 UP!)

それでは実際にクランプを装着してみましょう。

1. まずはYZ純正のトップクランプを外して、プロテーパー/P-3 トリプルクランプを仮装着します。

P3トップクランプ仮装着

2. 次にステアリングナットを本締めします。

ステアリングナットを14.5kgmで締付ける

締め付けトルクは14.5kgm!です。
ちなみにDT200WRの純正値は10.0kgmです。

3. トップクランプ締付ボルトを本締めします。

トップクランプを1.66kgmで締め付ける

'99 YZ125純正トップクランプの締め付けトルクは2.3kgmですが、こちらはプロテーパーのトリプルクランプですので、当然プロテーパー独自のトルク設定がなされています。

プロテーパーの説明書では締め付けトルクは、12ft.-lbs.=約1.66kgmと指定されています。(※ft.-lbs.はフットポンド単位。1ft.-lbs.≒1.356Nm≒0.138kgm)
少々緩すぎのような気もしますが、片側3本止めですので大丈夫なのでしょう。
3本止めの場合はまず、真ん中のボルトを少し締めて、両端を少し締める → 以下繰り返し…で、最終的に全ボルトを1.66kgmで締め付けるようにしてください

4. 次に、ハンドルロアホルダーを装着しますが、ここは最初は仮締めにとどめておいてください
ハンドルバーを咬ませてからロアホルダー取り付けボルトを本締めすることで、ロアクランプのねじれを最小限に抑えることができます。

まずは仮止め

ロアクランプを仮止めしたらハンドルバーをハンドルホルダーに通し、ハンドルアッパーホルダーを締付けます。

P-3 トップクランプのハンドルアッパーホルダーは純正とは異なり、前後の区別の無い対称形状です。

ハンドルアッパーホルダー(YZ125純正)ハンドルアッパーホルダー(プロテーパー)

この場合、純正のように、ポンチマークを前側にして、前→後とアッパーホルダーボルトを締付ける…だけではボルトが真っ直ぐに入らず、ボルトとハンドルホルダーにストレスをかけてしまいます。
説明書にも、
"Install handlebar and clamp tops and evenly tighten bolts so that the spacing is even front to back"
とあるように、アッパーホルダーは上下ホルダー間の隙間が前後で同じになるように固定しなくてはなりません。(←訳違い?)

そのためには、

5. ハンドルアッパーホルダーをぴったりとハンドルにつけて、前側のボルトを、前側の間隔のほうが少しだけ狭くなる位置まで締め込み、

ハンドルアッパーホルダー前部を仮締め

6. 後側のボルトを、12ft.-lbs.=約1.93kgm(※YZ125純正は2.3kgm)の規定トルクで締付けます。

ハンドルアッパーホルダー後部を規定トルク(約1.9kgm)で締付け

7. そしてもう一度前側のボルトを、今度は規定のトルクで締付ければ、

前後の隙間を同じにする…

クランプ前後の隙間は大体同じくらいになると思います。
まあホルダーの前後の区別が無いわけですから、前後交互に少しずつ締付けていき、同じくらいの間隔をキープしながら最終的に前後とも規定トルクで締付けられるようにする、という形でも良いと思います。

8. あとはロアホルダーボルトを、34ft.-lbs.=約4.7kgmで本締して、

ロアクランプボルトを4.7kgmで締付ける

トップクランプの取り付けは完了です!

取付完了

取り付け外観はこんな感じです。

P-3トップトリプルクランプ装着(後ろから)P-3トップトリプルクランプ装着(前から)

P-3トップトリプルクランプ装着(バーパッド有り1)P-3トップトリプルクランプ装着(バーパッド有り2)

バーパッドを取り付けてしまうと、こちら側からはクランプはほとんど見えなくなってしまいますが、正面から見てみると…

クランプ部のはみ出しが気になる…

逆にクランプの張り出しが妙に目立ちます(笑)
YZ125フロントフォークは上下クランプ間の距離がDT200WRよりもかなり広く、また、トップクランプのマウント位置も高いからでしょう。

ただ、心配していたタンクやシュラウド、ラジエーターとの干渉は無く、

ラジエーターやタンクとの干渉は無し

とりあえず合格点獲得!(^^)

◇ 2006/10/7 更新

それにしても、ハンドルとステムシャフト上端との隙間が激狭です…(゚Д゚;)

ハンドルバーとステムシャフト上端との隙間が非常に狭い…

ステム(フロントフォーク)移植時に作成したカラーの長さが短かったのか、P-3トップクランプのハンドルロアホルダーの高さが低いのか…危うくカラーを作り直さなければならなくなるところでしたが、とりあえず干渉はしていないのでOKでしょう(^^)

25,000円の価値はあるか?

インプレッション…といっても、純正を飛び越えていきなり社外品を装着してしまったので、YZ純正クランプとの比較はできませんし、フロントフォークも換装しているため、DT200WR純正クランプとの純粋な比較も不可能です。
…そもそも私の走りはクランプの剛性がどうこうと言えるほどのものではありません(^^;)

もちろん実際の剛性値は社外品の方が上でしょう。
ただ、DT200WRノーマルフレームのステアリングヘッド回り剛性とのバランスを考慮すると、トップクランプの剛性を高める意味はあまり無いかもしれませんね。
むしろバランスを悪くする恐れもあります。
ルックスも賛否両論分かれそうな感じですし、重量も純正より重いときています…。

まあ、本来の目的である「テーパーハンドル装着」に関しては一応達成できましたが、25,000円前後という製品価格、そしてノーマルトップクランプが某オークションで1,000円で入手できることを考えると、コストパフォーマンス的にはいかがなものか…?といわれても仕方ありませんね(^^;)