steering / ステアリング・ハンドル周り

2006/10/21

YZ125純正スロットルを移植してDT200WRをハイスロットル化

  • ◇ このパーツの満足度 → 85/100
  • ◇ 取り付け難易度 → 簡単
  • ◇ 取り付けに必要な特殊工具および加工 → 必要なし(※ハンドガードを装着する場合はスロットルチューブに加工が必要)

「DT200WRハイスロットル化計画

YZ125純正パーツでDT200WRを手軽にハイスロ化できることをネットで知り、DT200WRの”ロー”スロットルに以前より不満を感じていた私は、早速これを試してみることにしました。

まずは情報を仕入れます

ネット上の情報によると、以下に記載する '95以前モデルのYZ125純正パーツ

  • ・TUBE, THROTTLE GUIDE (23X-26243-00) 672円
  • ・CAP, GRIP UPPER (23X-26281-00) 1176円
  • ・CAP, GRIP LOWER (431-26282-02) 1449円

の3点を、DT200WRのパーツと交換するだけでよいらしいのです。本当にお手軽ですね(^^)

パーツ購入はいつものように、ナップスさんの通販を利用させていただきました。

とりあえず見た目を比較

注文したパーツが届きました。

やはり、よりハイスロットル化されているYZのスロットルホルダーの方が、「皿」部分が大きいですね。
(※左がYZ、右がDT200WR純正パーツ)

スロットルホルダー比較

しかしぱっと見た感じではほとんど変わりませんね。純正パーツ好きの私としては嬉しい限りです(笑)

一方、スロットルチューブですが、どちらがYZパーツか分かりますか??

スロットルチューブ比較

…ストッパー部分の幅の短さや、スロットルケーブルのタイコが納まる部分がより外側に位置していることから、左側がハイスロットルであることが分かります。つまり左がYZのパーツです。

ちなみに、ボルト類やスロットルホルダーカバーはDTのパーツがそのまま使えてしまいます( ̄ー ̄)

共通パーツ

ハイスロットル度を計測!

それではこのパーツを組み込むことで、どのくらいハイスロットルになるのかを調べてみます。

スロットル開度はスロットルケーブルのタイコ部分がアクセリング時に描く軌跡(円周)の長さで決まります。

(※5cm引っ張ると全開にできるスロットルケーブルを仮定しますと、例えばタイコ部分の移動距離がグリップ1周で5cmと10cmのスロットルチューブをそれぞれ組み合わせた場合、移動距離10cmのスロットルチューブはグリップ半周=2分の1のアクセル開度で済むことになります)

円周は直径の長さに比例するので、つまりハイスロットル度を比較するには、タイコ部分が描く円の直径を比較すればよいということになりますね。

計測値は…

  • DT200WR純正スロットルチューブ → 51mm
  • '95 YZ純正スロットルチューブ → 57.5mm

で、

57.5÷51.0≒1.1275

より、約12.75%のハイスロットル化が可能になります。
(※計測精度はかなりテキトウですので、数値はあくまでも参考までに。)

…うーん、思っていたほど過激ではないですね(笑)、むしろもう少しキツい値でも良かったくらいです。
まあ、こればかりは実際に走らせてみてどうなのか、に尽きると思いますけど(^^;)。

装着作業

装着作業自体は単に純正部品を交換するだけですので細かい説明は省略しますが、私のようにハンドガードを装着する場合は、これとは別にスロットルチューブへの加工が必要となります。

YZ純正のスロットルチューブのエンド形状は完全なオープンエンドではなく、直径1cm程の穴が開いているだけですので、このままハンドガードを取り付けようとすると取付金具がスロットルチューブと干渉してしまいます。

YZ純正スロットルチューブのエンド形状

エンド部分を切り落としてしまっても良いのですが、装着予定のハンドルグリップ(PRO GRIP/719 スーパーバイクグリップ)のグリップ長が若干長いため、できるだけチューブ長を短くしなくて済むように、今回は穴径の拡大加工で対処します。

ところがチューブの素材はかなり硬質なプラスチックで、柔なカッターなどでは歯が立ちません。
…試行錯誤しましたが、一番作業効率と仕上がりのバランスが良かったのは、電動ドリル+砲弾型砥石(ヤスリ?)の組み合わせでした。

電動ドリル+キャップ型の砥石

これでこのように…

穴径拡大加工

穴を拡大します。削る相手がプラスチックですので、すぐに砥石の目(?)が詰まってしまい、なかなか作業は進みませんが、ここは忍耐力勝負です…。

地道にやれば、

完全オープンエンド化に成功

このように完全なオープンエンド形状にすることができます。
後はグリップを装着してワイヤリングを施せばOKです。

スロットル側グリップ装着状態

今回はスロットルチューブのエンド側を残すように加工したので、グリップエンド側のワイヤリングも可能でした。

装着完了!

YZスロットルパーツ装着状態です。

YZスロットル装着完了(前から)YZスロットル装着完了(後ろから)

さすが純正ですね、全く違和感無し!(当たり前か…)
というわけで、とりあえず見た目は大満足 (^‐^)、あとは実走インプレッションを残すのみです!

◇ 2006/10/28 更新

'05 YZ250F フロントブレーキマスターのレバーブーツとスロットルホルダーが干渉してしまいます(゚Д゚ )

ブレーキレバーブーツとスロットルホルダーが干渉!?

が、「接触」程度ですのでとりあえずは見て見ぬ振りです…( ー_ー)

◇ 2006/11/1 更新

いつもながら無駄とは思いつつも(笑)、参考までにこの3点のパーツ重量を比較してみました。結果は…

パーツ DT200WR(g YZ(g 重量差(g
チューブ、スロットルガイド 27 30 + 3
キャップ、グリップアッパー 42 47 + 5
キャップ、グリップロア 25 32 + 7
合計 94 109 + 15

…YZパーツの方が、15gも重いのでした(-_-;)

インプレッション (2006/11/4 UP!)

やはりアクセル操作は少し重くなってしまいましたが、特に気になるレベルではありません。
それよりも実走行時に得られるメリットの方が大きいです。
街乗りでも、ツキが良過ぎたり、極端にシビアなアクセルワークを要求されることもありません。
むしろアクセル操作量が少なくなった分、ブレーキレバーも同時に操作しなければならないような場面では、より繊細なブレーキ調整が可能になりました。

確かにこれでは物足りないという方もいらっしゃるかもしれませんが、ネガティブな面やリスクは最小限に抑えてハイスロ化のメリットを享受したい方、乗りからレースまで幅広い用途でDTを利用されている方には特にお勧めのカスタムですよ(^^)v

…ただひとつ気になるのは、アクセルワイヤーの遊びが少々多くなってしまうことです。
(私のDTのアクセルワイヤーが伸びているだけかもしれませんが…)
限界近くまで調整しても、私の感覚ではまだちょっと遊びが多いと感じられます。
まあ感じ方は人それぞれでしょうし、ハイスロ化によりツキが良くなった分で相殺できるレベルだとは思います。