exhaust controls / 排気系

2008/8/25

プレシャスファクトリー チャンバー B (ダイノジェットによるパワーチェック!)

  • ◇ 今回の作業の満足度 → 90/100
  • ◇ 作業難易度 → 本人はやることなし
  • ◇ 必要な特殊工具や加工 → なし(…ダイノジェット?)

インプレッション

大変遅くなりましたが、プレシャスファクトリー製チャンバーのインプレッションを紹介します!
前回のレポートで報告したとおり、今回はちょっと志向を変えてお伝えしようと思っております(^^)

まず動力性能の評価について、おなじみの管理人による感覚的なインプレッションにかわり、誰もが同じ基準で評価でき(=数値化)、そして一目見て分かるような表現=視覚化を導入…と聞けばみなさんも想像されるでしょう…そう、シャシーダイナモによるパワーチェックです!( ̄ー ̄)

比較対象は、DT200WRではサイレンサーのみ社外品に交換しているという方が多いと思われるので、[ノーマルチャンバー+社外サイレンサー]としました。
測定条件は、キャブレーターのセッティングは2型のノーマル、エアクリーナーは3XP純正、変更点はプラグ(NGKイリジウムの8番)とプラグコード(ホットワイヤー)、リードバルブ(ボイセンのFRPバージョン)です。
なお、2回のパワーチェックは連続しておこなっているので、測定順による誤差(気温、天候の影響)はほとんどないでしょう。

パワーチェックは札幌市清田区内にある、ダイノジェット正規代理店の「Bravissimo(ブラビッシモ)」というショップでお願いしました。

パワーチェック

背中にプレシャスファクトリーのチャンバーと工具を担いで(笑)、自走でショップまで行き、まずノーマルチャンバーで測定後、その場でチャンバーを交換させていただき2回目のパワーチェックを行いました。

店主から測定前に、「プラグコードから点火パルス(エンジン回転数)をピックアップするが、ホットワイヤー装着車はその際にノイズが乗ることがあり、その場合、イグニッションコイルから信号を取り出すことになるが、それもできない車両は[回転数−馬力&トルク]ではなく、[車速−馬力]のデータしか取れないよ」と、軽く脅されてしまいました(^^;)
(今回は問題なくデータを取ることができました ^^)

バイクの固定から補機類の装着、PCのセットなどをささっと済ませてあっという間に準備完了!さすがに手馴れたものです。

いよいよエンジンを回します!
何を隠そう管理人はパワーチェック初体験(^^;)、かなりドキドキします( ̄ロ ̄;)

実は今回、店主の許可を得て、録音機(カセットテープ!^^;)を持ち込みパワーチェックの様子を収録する予定でした。
ノーマルチャンバーとプレシャスファクトリーチャンバーの音質を比較することで、「視覚」だけでなく「聴覚」でもみなさんに違いを感じていただこうと密かに目論んでいましたが・・・・・・一発目のノーマルチャンバーの録音時に、レコーダーにトラブルが発生し、残念ながら録音できたのは2回目のプレシャスファクトリーチャンバーのみとなってしまいました。
両者の排気音は後日あらためて収録し直しましたので、追ってレポートいたします。
今回の音源は、パワーチェックの様子をうかがう資料としてご活用ください。

パワーチェック(2008/7/25)/mp3形式/2分18秒

そしてこちらがダイノジェットより得られたデータです!

1. ノーマルチャンバー+R.S.V.サイレンサー (気温17.3℃/気圧998mb/湿度24%)
→ 最高出力 27.88ps/最大トルク 2.32kgm

2. プレシャスファクトリーチャンバー+R.S.V.サイレンサー (気温18.3℃/気圧999mb/湿度17%)
→ 最高出力 29.70ps/最大トルク 2.47kgm

3. 両者を合成したデータ (※ 青線=ノーマルチャンバー/赤線=プレシャスファクトリーチャンバー)

→ プレシャスファクトリーチャンバーがパワーで約2馬力、トルクで1.5kgmノーマルを上回る!

パワー、トルクともに約6.5%アップです。
6000rpmおよび7800rpm付近に若干谷が見られますが、ショップの人も、「ポン付けでこの結果は優秀」と言っていました。
低域〜中域では若干下回っているものの、高回転域の伸びは圧倒的にプレシャスファクトリーチャンバーが勝っていますね。

ちなみに、DT200WRのカタログ上のエンジン性能は、35ps/3.0kgmです。
今回の計測結果を見て、随分パワーの出ていないDTだなぁと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、カタログやサービスマニュアルに記載されている「エンジン」出力が、エンジンを単体で回して軸(クランクシャフト)から直接計測した値(=軸出力)を意味する一方、後輪(タイヤ)で測定するダイノジェットのような計測機器は、チェーンなどの伝達系を経由する過程で生じた駆動ロスを差し引いた値(=後輪出力)を測定するため、いわゆるカタログ値よりも低い値になります。

じゃあこのDTは一体エンジン出力で何馬力出てるの?と聞かれると・・・・・・それに答えるためには、被検体の駆動ロスや、計測時の外部環境(気温、湿度、気圧等)の影響などを計算する必要があります。
現実問題としてそれを個人レベルで導き出すのはほとんど不可能でしょう。

結局、絶対値として「何馬力」と答えることはできないということになります。
しかし、実際の走行性能を表しているのはカタログ値ではなく、あくまでも後輪出力であるのは間違いありません。
少しでも実出力を高めるためにも、チェーンやホイールベアリングのメンテナンスは怠らないようにしたいものです。

…話は逸れましたが、総評としてはこの「プレシャスファクトリー製チャンバー」、音量の増大が唯一の難点ですが、コストパフォーマンスが高く、またノーセッティングでもそこそこ走れてしまう、色々な面で「優しい」チャンバーだと思います(^‐^)
ただ何度も言いますが、音量だけは優しくありませんので悪しからず(^^;)

次回は、両チャンバーの音量および音質の比較を行う予定です。
こちらも乞うご期待ください(^^)

(※今回公表したデータは、ある測定条件(気温、湿度…など)の下、私が所有する車両において得られたデータであり、全ての個体で同様の結果を得られることを保障するものではありません。あくまでも参考程度にとどめてください。)