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2010/11/21

冬支度〜タンクの錆対策など冬季長期保管に向けて

  • ◇ 今回の作業の満足度 ⇒ 80/100
  • ◇ 作業難易度 ⇒ ガソリンの取り扱いに注意
  • ◇ 必要な特殊工具および加工 ⇒ 静電気除去キーホルダー等

DTの冬籠り

 札幌の今年の初雪は10月26日でした。
 その週、私はたまたま出張のため本州に出ておりましたが、初雪でいきなり10cmほども積もり、交通機関のダイヤ等にも相当影響したそうです。

 それでも11月に入ってからは天気も落ち着き、寒いながらも何度かDTに乗ることができました。
 しかし、月の後半にかけてまたドカ雪が降るとの予報が出たため、本日をもって今年のDTの乗り納めとすることにしました。

 DTを冬籠りさせる準備として毎年行うのは、

  •  1. 燃料タンクをガソリンで一杯に満たす
  •  2. キャブのフロートからガソリンを抜く
  •  3. 洗車および各部への注油
  •  4. リフトで持ち上げて保管する

ことです。

 ちなみに1.について、一冬越して成分が揮発したガソリンは、春先に抜き取って容量の大きい自動車のタンクに投入し薄めて使う(…)のがsaki的慣例です。
 ただ、北海道の冬の厳しい寒さの下ではガソリンもほとんど変質しないようなので、状態が良ければ来春はそのままDTで使ってしまおうと考えています。

 それに加えて今回はちょっと試してみたいこともあったので、タンク内のガソリンを完全に抜き、新鮮なガソリンで満たすという面倒な作業を手前に入れています。

1. 燃料タンクをガソリンで一杯に満たす、2. キャブのフロートからガソリンを抜く

※今回紹介する作業に関しては、静電気等により発生した火花がガソリンに引火し、最悪命を落とすような事故につながる危険があります。基本的に、このような作業は必要に迫られていなければ行うべきではないと思います。もし同様のことを行う際は、静電気除去キーホルダー等を使用して、帯電した静電気をこまめに放電しながら作業してください。

 キャブのフロート室内のガソリンを抜きます。
 変質したガソリンのガム質がジェット類に詰まるのを防ぐためです。

 従来はセオリー通り、キャブフロート室下部のドレーン口にホースを繋ぎ、ドレーンボルトを緩めて少しずつ抜いていましたが、この方法では無駄に時間がかかります。

フロートチャンバー内のガソリンをドレーンから排出2

 ドレーンボルトを完全に抜き取って、一気に抜いてしまおうと思っても、キャブ周辺は空間的ゆとりがなく受け皿となるものの大きさや形状に制限があり、手持ちの部材に適するモノがみつかりません。

フロートチャンバー内のガソリンをドレーンから排出

 そんなときふと思いついたのが、形を自由に変えられて且つそこそこの保持力があり、浸透性が0の素材…「アルミホイル」です。

 大きめに切り出したアルミホイルを畳んでV字型に折り、奥側に逆流しないよう「反し」を作っておきます。

アルミホイルを漏斗代わりにして…

 これをキャブのドレーン下にあてて、漏斗代わりにします。

 ドレーンボルトを緩めると…

キャブのフロート室からガソリンを抜く

 うまくいきました(^^)v

 なお、受け皿にはガラス製の瓶、もしくはPET製の容器を使ってください。
 プラスチック製の容器の中には溶けてしまうものがあります。

フロート室の容量は30〜40cc位か

 容量は30〜40cc程といったところでしょうか。

 次に燃料タンク内のガソリンを抜きます。

 コックを「OFF」にして燃料ホースをキャブレーターから抜き取り、コックを「リザーブ」にしてガソリンを空容器に注ぎます。

燃料タンク内のガソリンも抜くことにする

 受けきれなくなったガソリンは、随時車の燃料タンクに投入していきます(^^;)
 ガソリン残量が多い場合は、燃料ホースを長い耐油ホースに繋ぎ換えて、直接注いでしまった方が楽ですし、また安全だと思います。

 この状態で一旦出なくなっても、

車体を傾けるとまた少し出る

車体を傾けるとまた少し出てきます。

 ガソリンタンクを外してその形を見ると分かりますが、フレームを避けるように中心を凹ませた「逆U字」型になっており、水平状態ではコックと反対側の窪みにガソリンが引っ掛かっているからだと思われます。

タンクを外して完全に抜く

 実はこの「『リザーブのリザーブ』が一体どのくらいあるのか」を調べることが、今回の作業の目的でした(^^;)

 さて、サイドスタンドを掛けただけの状態でガスが出なくなってから、車体を傾けたりタンクを外して逆さにするなどして完全に抜ききるまでに出てきたガソリンの量は、

リザーブが切れても250cc程度はタンク内に残っている

 約250ccでした。
 DT200WRなら4kmちょっとは走行できる量です。

 ガス欠 ⇒ 車体を倒して補給 ⇒ それでも足りないときはタンクを外して90°立てる、またはウィリーをして(笑)コック側に集めましょう。

 空になったタンクをガソリンスタンドに持って行き、新鮮なガソリンを入れてもらったところ、

10Lタンクに10.21L入った

満杯より気持ち少なめでも10.21L入りました。

 つまりDT200WRのタンク容量10Lとは、通常状態で使い得るガソリン量ということでしょう。
 そして残りの約250ccこそが「リザーブのリザーブ」なんですね(^^)

3. 洗車および各部への注油、4. リフトで持ち上げて保管する

 洗車といってもオフロードを走らない私は、高圧洗浄などは行いません。
 むしろステアリングステムや各種シャフト類、チェーン、スポークホイールのリムなどに浸水し、錆びを誘発する恐れがあるので、車体やエンジンに付着した油汚れやホイールの汚れをクリーナーで落とし、外装は個別に取り外して洗浄とワックスがけを行う程度です。

 おっと、A.C.G側クランクケースカバーに気になる汚れが…

気になる油汚れ…

またどこからか油が漏れているようです ヽ(`Д ´ )ノ ウワァァァァン

 …と思って周囲を調べると、エキゾーストマニホールド(チャンバー)のガスケットが抜けたような形跡があります。

エキマニのガスケットが抜けている

 プレシャスファクトリーのチャンバーはフランジの形状が純正と異なり、不安定で心配だったのですが、それが現実のものに(-_-;)
 交換は来春忘れずに行うことにします。

 ステッカーの色褪せと剥がれも見られました。

ステッカーの色褪せと剥がれ

 アパレルブランド、HYSTERIC GLAMOUR(ヒステリックグラマー)の懐かしのステッカーです(笑)
 昔はヒスといえばこのステッカーだったんですけど(^^;)、もう覚えている方も少ないでしょうね…。

 このステッカーは販売物ではなく、ショップ袋の封印テープがわりに使われていたシール(…だったと記憶しています)のため、紙製で耐候性も無く、数年でこのような有様になってしまいます。

 糊部分がべったりと残ってしまったので、100%アルコール液で除去しました。

紙製だったため糊がべっとり残る…100%アルコール液で除去

 こちらは新品のステッカー。

ヒステリックグラマーのステッカー(1)。溶剤等に耐性が無いため上に保護シートを貼り付けてある

 発色が全然違いますね(笑)
 このステッカーは溶剤に対しても耐性が無いので、上に透明の保護シートを貼り付けています。

 他にもこんなのや…

ヒステリックグラマー(2)

 こんなのもありました(^^)

ヒステリックグラマー(3)

 うーん、分かる人には私の大体の年齢がバレてしまいそうです(笑)

 このステッカーは大変気に入っていますが、貼り換えが厄介なので、耐候性のある他のブランドのステッカーに変えてしまおうかなとも考えています。
 今日はとりあえず保留にして、そのまま外装を組み付けました。

 各部の洗浄および注油を行います。

洗車する

 特に錆びやすいフロントフォークのインナーチューブやスポークホイールのスポークなどは、磨いてシリコンスプレーまたはドライグリス等を吹き付けておきます。

 最後にリフトで持ち上げて春まで保管します。

リフトで持ち上げた状態で保管

 車重でタイヤ(のカーカス)が変形し、元に戻らなくなってしまうからです。

 今年もお疲れ様でした!