2007/12/3
カラーの製作に必要な寸法は、
で、3が分かれば自動的に4が分かります。
4の値は実際には必要ありませんが、1〜3の計測結果の確認のためにも測っておくとよいでしょう。
なお、装着の可否を左右するスプロケットおよびディスクの位置関係を最優先しており、リムに関する寸法についてはメーカー初期設定の"5mmのオフセット"に全てを賭けています(笑)
…さて、とりあえずハブの全幅を計測するため、ゲイルスピードにDTのアクスルシャフトを通してみたところ、なんとスカスカではありませんか!?
YZのサービスマニュアルは確認済みで、リアホイールベアリングの型番は確かにDTと同一だったはず。
と、よく見てみると、なんと'99用だと思っていたSマニュアル、実は'98のものでしたヽ(`Д ´ )ノ ウワァァァン
実は'98YZだけはDTと同じ20mmで、'99以降は22mmなのです。
凡ミスですが、致命的なミスです(;_;)
ゲイルスピードのホイールカラーは圧入式なので、アクスルシャフト径が足りない分は段付きホイールカラーを追加して対応するしかありませんが、それにはホイール全幅がゲイルスピードの方が小さいことが必要条件になりますね…。
さて本来は、全ての箇所を「専用」の器具で正確に計測しなければならないところですが、一般ユーザーでそこまでの機器設備を揃えている人はほとんどいないでしょう。
もちろん私もそのようなものは持ち合わせておりません。
ただ、例えばリアキャリパーがフローティング式であるため、
・・・・・・なんて、言っている本人がおかしくなるほどの(笑)滅茶苦茶な理論を基に作業を進めておりますので、みなさんは私の真似をせず、流用が可能であるということだけを確認して、あとは必ず信頼のおけるショップに任せるようにしてください(^^;)
それでも計測方法を工夫し、何度も計測を繰り返すなどして正確に採寸できるよう努めてはいます。
例えば左カラー〜右カラー間のように曲尺のようなものでも測りやすい箇所はそれほど問題ありませんが、スプロケット取り付け面〜ディスク取り付け面のように手持ちの器具では一発で測定できない箇所は、ノギス(←私の手持ちで最も正確な計測器具です…)を使える箇所をできるだけ多く組み合わせて計測するなどの工夫を加えています。
詳細な寸法についてはここに掲載することはできませんが、結果から申し上げますと、WR250FのリアホイールのDT200WRへの流用は(数値上は)可能で、しかも比較的簡単であることが判明しました。
前述した1〜3の値が全てWR250Fのほうが小さいため、ホイールカラーおよびブレーキディスクスペーサーの作成のみで対応できそうです。
しかし、ここで新たな問題が発生!
ブレーキディスクとハブの間に挿入するスペーサーの厚みによっては、ブレーキディスクボルトの長さが足りなくなる恐れがあるのです。
ディスクの厚みを除いたボルトのねじしろは11.5mm。意外と余裕があるように見えますが、例えば5mmのスペーサーを噛ますとすると、ねじしろはほぼ半分になってしまいます。
これで本当に大丈夫か?と聞かれると・・・私には答えようがありません(-_-;)
調整できる範囲内で、できるだけスペーサー厚を薄くするようにしてはみますが…頭が痛いです(;_;)
あとは、径の細いDTのアクスルシャフトをどのようにして装着するかですね。
これについては先にも述べたとおり、現在圧入されているWR250F用のカラーは取り外しが困難であることから、新たに作成するカラーを段付き形状にして、既存のホイールカラーに差し込む方法をとることにします。
ただ、内径の差が2mmしかないため、段付きカラーのインナー部分の厚みはなんと1mm!(゚Д゚;)
場所が場所だけに強度不足は明白ですが、今回はとりあえずこの方法で挑戦してみることにします。
うーん、まさに綱渡り(開き直り?)カスタムですね…他人にはとても勧められません(^^;)
ディスクスペーサーについては、例のあまり見せたくないハブの中身を隠せるような形状にしてみてはどうかと考え、フリーのCADソフト「鍋CAD」を利用して自分で図面をおこし、メタルギアワークスさんに発注しました。
なお、ホイールカラーについては別の業者にすでに発注済みです。
CADの操作は実際に作図をこなして慣れていくしかありませんが、特にアドビの「イラストレーター」に代表される、いわゆるグラフィックソフトに慣れ親しんでいる方は、その操作感覚のあまりの違いに最初はかなり苦労されると思います。
私も最初はかなりイライラしました。直線すらまともに引けませんでしたから(笑)
まあ素人が少しかじった程度の作図では使い物にならないでしょうけど(^^;)、とりあえず形状および寸法等だけは正確に伝えられるようにある程度勉強してから取り組んでいます。
これらの基本的な規則等については「機械製図の基本」などのキーワードでググればある程度は調べられます。
なお、鍋CADを使用してデータを作成した場合はその互換機能を使用して、ファイル形式を業界標準の「AutoCad」でも読み込める、DFX形式に変換したほうが良いでしょう。
ホイールカラー、ディスクスペーサーともに約3週間で仕上がりました。
まずはホイールカラーです。
素材はA2017で強度はそこそこありますが、さすがに厚さ 1mmのインナー部はペラペラです(^^;)
リアタイヤが段差に乗り上げた時など、パキっと割れてしまいそう…。
アルマイトの色は目立たない黒にしてみました。
次はディスクスペーサーです。
うーん、送られてきた完成品は私のイメージとはちょっと違いました。
市販品と比較すると、なんというか…手作りっぽい感じ(?)といえばいいのか(^^;)。
たぶん表面加工(もしくは切削方法そのもの)の違いでしょうね。
市販品はお金を掛けて、ちょっと洒落た表面切削加工を施しているのでしょう。
値段は上がると思いますが、注文時に指示すればこのスペーサーもそのようにしてくれたと思います。
一方、最も重要な寸法については全く問題なし!
素人作成の規格無視の図面を理解し、正確に製作していただきました
表面処理は、こちらも目立たないようにブレーキディスクの色に合わせてシルバーアルマイト仕上にしています。
製作料金はホイールカラーが左右ともに2,900円+アルマイト処理料金500円=6,300円で、ディスクスペーサーが13,000円の合計19,300円です。ホイール+タイヤ+スプロケット+カラー類で合計131,734円也。リアタイヤ1本にちょっとお金をかけ過ぎですね(^^;)