2006/6/24
フロントサスペンションのYZ化に併せて、ヘッドライト周り(特に裏側)の簡素化を行います。
ヘッドライトカウルを出来るだけフロントフォークに近づけた位置で固定し、モトクロッサーのゼッケンプレートのような見た目に近づけるためです。
手始めにコンデンサーを移設することにしました。
それではコンデンサーの移設方法について検証していきます。
既存の配線の取り回しを変更しなくても、配線を延長しさえしてやれば基本的にはどこにでも移設は可能です。ただ、増えた配線の取り回しが面倒なため、移設先付近からの電源の確保を目指します。
DT200WRで使用される電源は、まず交流電流としてA.C.G.で発電され、レクチファイアレギュレターへと送られます。
ここで直流電流に変換された後、メインスイッチに接続し、ここから車体各部に配電されています。
コンデンサーは、このレクチファイアレギュレター〜メインスイッチ間の配線に並列に接続して、充電と放電を繰り返し、電圧降下を抑制しているのです。
配線図を見ると…レクチファイア〜メインスイッチまでの配線は1本で、接続しているのはコンデンサーの+線のみであることから、このレクチファイア〜メインスイッチ間の配線上であれば、コンデンサーの接続ポイントは自由に取ってよい、ということですね(^^)
レクチファイアレギュレターの位置はここですので…
配線をできるだけ短くする、という条件を考慮すると…エアボックス付近、又はエンジンと燃料タンクの間の空間あたりが移設先の候補となりそうです。
実際のところ、エアボックスの一部分(工具を入れるスペース等)を利用している方が多いようですね。
私は、エンジン上部に良い場所を見つけましたので、こちらで挑戦することにしました。
完成イメージはこんな感じ…、
…って、これは移設作業後の実際の装着画像です(笑)
電源取り出し位置は、
このあたりでしたら配線作業もし易いですし、増設した配線も邪魔にならず良いのではないかと思います。
こんな感じで構想はまとまりました。
さっそく次の配線作業に移りましょう!
それでは実際の配線作業を進めていきます。
(※バッテリーレス車のコンデンサーとは、バッテリー車のバッテリーに該当するパーツであり、その扱いをひとつ間違えると重大な事故につながる可能性があります。
以下で紹介する作業内容は完全に安全が保障されたものではありませんので、あくまで参考程度にとどめていただき、同様の作業を行う際は、自己の責任の範囲内でお願いいたします)
まずはコンデンサーカプラーの確保と、配線の処理を行います。
右側(白色)がコンデンサーのカプラーです。まずはこれを切り出します。
極端に偏った位置で切断してしまうと、後の配線処理が大変になりますので、配線の残量を考慮し、ちょうど良い位置で切断してください。
また、コンデンサーの設置位置によってはカプラー側の配線の長さが足りなくなることもありますので、延長することを前提に切り出してしまっても良いでしょう。
なお、コンデンサーのカプラーから出ている2本の+線は、並列接続するため1個の端子から分岐されているだけです。1本の線に分岐タップで線を1本接続するのと基本的に変わりません。
私はカプラー内部の端子に加工を施そうとして破壊してしまいましたので(^^;)、ホームセンターで同形状のカプラーを購入し、端子だけを取り出して入れ替えています。
そのため配線も新たに加工し直しました。
私はわざわざこのような面倒な配線にしていますが、通常はメイン配線の被覆を一部だけ剥ぎ取り、そこにコンデンサーカプラーからの配線を1本加えて、まとめて結合するだけで十分かと思います。
むしろ↑このようにむやみに結合ポイントを増やすのは安全上の観点からも得策ではありません。
ただ、ここは最も大きな電流が流れる基本の配線ですので、カーショップで売っている簡易式の分岐タップのようなものの使用は避けたほうがよいでしょう。
接続金具の種類は多数ありますが、しっかりと確実に結合できるもの、そして十分な電流容量を持つものを選んでください。
半田を併用するとより効果的ですが、ここの導線はかなり太いので、家庭用の半田のみでの固定は難しいと思います。
このメインの配線は他の電線よりも内部導線が太い特別仕様ですので、延長に使う配線には、同等以上の太さの導線を持つものを選んでください。
被覆の厚さは電線により異なるため、外観からは判断できません。
必ず中の導線の太さで比較しましょう。
DTのは配線は全般的に被覆に比べて導線が太め(=被覆が薄い)ですので注意が必要です。
コンデンサーカプラーの配線を割り込ませる作業に入ります。
まずは接続ポイントを確保します。
この中にレクチファイアとメインスイッチを繋ぐ配線が隠されています…。
中にはたくさんの配線が収められていますが、赤と黒の配線は、私が確認した限りではそれぞれ1本ずつしかなかったので、すぐに分かると思います。
ちなみに全電流が集中するメインの配線の被覆には、白色の3つの四角(※下写真参照)がところどころにプリントされており、区別できるようになっていますのでこちらも確認してください。
そしてそこにコンデンサカプラーからの配線を接続します。
くどいようですが、接続は確実な方法により行ってくださいね。
私はわざわざメインの配線をカットしてコンデンサーを挿入していますが、親配線は切断せずに、被覆を剥くだけで結合できるタイプの接続金具を使用するほうが作業も楽ですし、信頼性、安全性も高いと思います。
あとは収縮チューブを被せたり、絶縁テープで巻くなどの処理を施せばここでの作業は終了です。
仕上げはあまり美しくありませんが、常時見える場所ではありませんのでまあ良しとしましょう(^^;)
しかし、これで全てが終わりではありません。
コンデンサーを切り出した、ライトカウル側ハーネスの後処理がまだ残っています。
アース線(黒)はコンデンサーのアースを取るためのものですから、移設後は不要。念のため切り口を絶縁処理しておけば、あとはそのままでもOKでしょう。
+線(赤)は2つの切り口を結合するだけで良いはずです。
この時に+線がちょうど良い長さになるよう最初から計算してコンデンサーカプラーを切り出せば、収まりよく仕上げることができると思います。
こちらの配線も、収縮チューブ、絶縁テープを使って確実に絶縁処理を行ってください。
バラしたハーネスも元通りまとめておきましょう。
これで必要な配線作業は全て終了しました(^^)v
すでに紹介済みではありますが、コンデンサー本体の移設場所はこちらです…
メインハーネスを固定するバンドを利用しました。
ただ、これだけでは少々不安なため、市販の結束バンドを巻いて補強してあります。
空間な収まりとしては申し分の無い位置であると自負していますが(笑)、ラジエーターの排熱やエンジンの輻射熱の影響が心配な位置ではあります…。
イグニッションコイルのすぐそばというのも少々気になりますね。(こちらは関係ないかな?)
しばらくこの状態で使用して、何か問題が生じたらまたここで報告します。
今回の作業の目的はヘッドライトカウル内の空間確保ですが、これによりステアリング周りの軽量化という副産物も生じます。
では実際に、これでどれだけのステアリング周り重量を減量できたかというと…
…は、軽量化が目的であれば、手間に見合う恩恵は受けられないでしょう(-_-;)
ただ、ヘッドカウル内のスペース確保には確実に貢献します。
ライトカウルをゼッケン化するときなどに、同時に行うことをお勧めします(^‐^)
配線変更後、約半年間使用しましたが問題は特に生じておりません。
ほぼ同時にACEWELLのデジタルメーターを装着し、そちらの配線が原因と思われるトラブルはありましたが、復旧後は全て問題なく機能しております。