1. concept / コンセプト

  • DT200WRのマシンコンセプトは ”リアル・エンデューロ”
  • ヤマハが目指したのは、エンデューロでも「使える」マシンではなく、エンデューロレースで「勝つ」ためのマシンを作ることでした。
  • このページでは、自分のDTがそのコンセプトからどんどんかけ離れていく管理人の苦悩と、それに対する思い(言い訳?)を述べていきます。

オフロードブーム勃興期の1980年代前半、さらなるオフロード人口の増加を支えたのは、YAMAHAが世に送り出したDT200RSEROWといった名車でした。

その後もオフロードブームは過熱の一途をたどり、1980年代後半に入ると、更なる高みを目指す一部のエンスージアスト達は「エンデューロ」(=耐久オフロードレース)を新たなターゲットとするようになり、これが次第にブームを呼び始めます。
この「エンデューロ」ユースに耐えうるマシンを求めるユーザーの声に対応すべく、ヤマハは1988年、DT200Rをモデルチェンジし話題を呼びました。

ところがその直後、発売時期を合わせるようにKAWASAKIからKDX200SRがリリースされ、ヤマハのDT200Rは、カワサキのワークスモトクロッサーKX-SRから「SR」を戴いたKDX200SRの戦闘力と人気に、エンデューロの舞台では押され気味になります。

そこでヤマハも本気でエンデューロマシンの開発に乗り出し、1991年には”リアル・エンデューロ”をコンセプトに、エンデューロレースで「勝てる」マシンDT200WRをリリースします。

…実はこのDT200WR、アメリカで同時にリリースされたエンデューロレーサーのWR200Rと同時開発された、いわゆる「双子」のマシンなのです。
電装系や、分離 ・混合給油といったいくつかの相違点を除けば、基本的にこの2台はほぼ同一のマシンと言えるでしょう。
その構成は、YZ125の車体に公道用200ccのエンジンを載せたマシン、と言っても過言ではないほどで、ヤマハがこのバイクにかけた意気込みをうかがい知ることができます。

…と、偉そうなことを書いていますが、その頃は私はまだ小学生であり、これらは全て後付けの知識です(^^;)
私が実際にDTの購入を決意したのは大学時代、アルバイト先の先輩に誘われて観に行ったモトクロスの大会でその迫力に圧倒され、感動したのがきっかけです。
信じられない高さで繰り出されるジャンプ、オフロードコースの限界を超えたスピード、そしてそれを可能にするためにストイックに作り込まれたマシンの造形、排気音…

「こんなバイクに乗りたい!!」

しかし、そのときの私には本格的にモトクロスをする時間もお金も勇気も無く、「モトクロッサーの雰囲気を味わえる公道走行可能なバイク」はないか、と情報を集めたところ、このDT200WRにたどり着きました。

そして2000年、ついにDT200WRを購入!(1992年式/走行距離約3000km/16.8万円)

ところが社会人になると、モトクロスどころかオフロードを走行する機会すらなかなか持てず、また、自らの手で色々と手を加えてきたこのDTに、少々過保護ともいえるほどの愛着が湧いてしまい…(^^;)、オフで激しく使うには惜しくなり、結局街乗りに特化させるため、当時流行りだした”モタード”仕様に変更することにしたのでした。

管理人のDT200WR写真(初期)2005/7/24時点での仕様です。
DTを購入した当初はデジタルカメラを持っていなかったので、購入した直後のノーマル車体の写真はありません(-_-;)
またその後もまさか、ホームページを立ち上げることなど考えてもいなかったため、画像はほとんど残していませんでした。
ただ、17インチホイール以外のハンドルやステッカーなどのカスタムはほぼ購入直後に行ったものです。
それからほとんど変わらずにここまで来ました。

管理人のDT200WR写真(2005/8/18)2005/8/18
シート表皮の変更、ハンドガードの装着など、手軽なカスタムを楽しんでいました。

管理人のDT200WR写真(2006/11/19)2006/11/19
'99 YZ125のフロントフォーク一式(ブレーキを含む)を移植しました。

管理人のDT200WR写真(2008/4/6)2008/4/6
ゲイルスピードの鍛造アルミホイールが入りました。

管理人のDT200WR写真(2008/5/11)2008/5/11
新たにプレシャスファクトリーのチャンバーを導入しました。
チャンバーに合わせてセッティングを変更し、さらなるパワーアップをめざしているところです。

管理人のDT200WR写真(2011/6/25)最新仕様(2011/6/25現在)です。
念願のゼッケン仕様化!
オフロードホイールを導入し、林道デビューも果たしました。

オフ愛好家の方々の中には「モタード(or スーパーバイカーズ)なんて邪道だ」と思われる方も多いことでしょう。
また、街乗りなのに速く走るためのチューンなどする意味は無い、という意見や、オフロードバイクを街乗りのみに使うこと自体に嫌悪感を感じる方もいると思います。

そのような考え方に対して私はあえて反論はしません。
私自身、オフも走らずこのバイクの良さ、面白さを語ることについては気が引ける部分がありますから…。
ただ、このバイクの魅力はオフロードの走行性能といった、本来の使用目的に関わるもののみに純粋に集約されるものでもないと私は考えております。
2ストロークエンジンだから」とか、「デザインが格好いい」など、単にそういう部分に惹かれて好きになることも、決しておかしなことではないはずです。

オフ派の方々の中にも、このような点に惹かれてDTを選んだ方はもちろんいらっしゃるはずです。
「ここが好き」というポイントは人それぞれ異なるとは思いますが、どれが正しいということもないでしょうし、どういうところが好きであるにしろ、このバイクが好きだという気持ちはDTオーナー皆様共通であると私は思っております。

そして当サイトもこのような趣旨のもとに構成されています。
例えば私のDTのカスタム内容を紹介するmy DT-WRのコーナーには、皆さんの目には「DT(又はオフ車)にはありえない」「やってはいけない」カスタムとして映るものがあるかもしれませんが、私はこのバイクに、私なりのこだわりと愛情をかけて手を加えているつもりです。
この気持ちを少しでも伝えられれば…と、この「SAKI'S DT200WR motard」サイトを立ち上げました。

ですから、モタード仕様に興味のある方はもちろん、オフONLYという方々や、DTの在り方に自分なりの信念を持っている方が、「こういうのもアリかもしれないな〜」といった感じで気軽にこのサイトの存在を捉えていただき、最後まで見ていただけたなら、これほど嬉しいことはありません!
(結局これが言いたかった…)

モタードやFMX、ビッグスクーターなどはバイクをファッションの一部と捉えて乗っている人も多いですよね。
ファッションバイカーなどと分類し、馬鹿にする傾向もあるようですが、私はそういうスタイルも勿論有りだと思っています。
…まあそれを否定してしまうと、自らの存在を否定しているも同然になってしまうのですけど(笑)

モタードやFMXを見て格好いいと感じ、その雰囲気を共有したい!だからオフロードバイクに乗る。それでもいいと思います。
ドリフトやジャンプは必要条件ではないでしょう。
そもそもドリフトやFMX、エクストリームのトリックなどを公道で行うことはできません。それはクローズドコースでやるべきことですよね。
そして、クローズドコースでの使用が前提となれば、マシン選択は究極的には「レーサー」に行きつくのではないでしょうか?

しかしそうではなくて、公道でナンバー付きバイクを走らせるわけですから、見た目重視、雰囲気重視、自己満足や自己陶酔(?)の類もOKだと思います。
派手な外装で目立つのも良し、自分自身の手で修理やチューニングをしたバイクを走らせることに喜びを感じるのも良し、こんなにも格好いいバイクに乗っている自分に酔いしれるのも良し(笑)
それでも公道を2○○km/hなど出して走行することでアピールし、そんな自分に自己陶酔するよりはずーっと健全で良いのではないでしょうか。

ちなみにモタードにおいては、レーサーっぽい外観や、ある意味街乗りでは過剰ともいえる機能や性能を持たせてその雰囲気のみを味わうという風潮については、否定されてはいないようです。
最近(※2006年現在)はビッグスクーターのカスタムやニュースクール系など、目立ち度重視のカスタムが流行りですよね。
爆音は非常に迷惑なので止めて欲しいのですが、あのグラフィック等は本当に凄いなぁと感心させられてしまいます。